株主・投資家の皆様へ

To our shareholders

代表取締役社長 藤田恭嗣

株主の皆様には平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
2017年2月期は、当社が電子書籍事業を開始して10年、会社としては第18期を迎え、また昨年度末に東証1部へ市場変更したこともあり、大きな変革の年となりました。業績としては売上155億円、経常利益6.5億円と前年に比べ増収増益、売上成長率38.2%と過去最高を記録しました。これもひとえに、株主の皆様のご支援の賜物と心より感謝申し上げます。

外部環境として、電子出版市場は依然急成長を続けており、2020年には3,480億円規模に到達することが予測されています。東京オリンピックも控え、日本が世界中から注目を集める中、海外の方が日本文化に触れる機会も増えると思われます。日本のコンテンツには大きな期待が寄せられ、市場はさらなる盛況を迎えるのではないかと感じています。

業界においてはメインプレーヤーが揃い踏み、新たなサービス形態やアイディアで新規参入する事業者や電子書店が増え続ける反面、淘汰されるサービスもあり、業界はより一層の多様化と優勝劣敗の状況になっています。当社はフィーチャーフォン時代から電子書籍の取次事業を開始し、2010年頃にはいち早くスマートフォンに対応することで、電子書籍取次大手というポジションを約10年で確立してまいりました。今後はより中長期的な視点から企業としての拡大成長に取り組む必要があると判断し、本社を東京都千代田区一ツ橋(竹橋)へ拡張移転を行い、人員増加・体制強化の地盤を固めると共に、マネージャー職やエンジニア職の積極採用も行うなど、積極的な投資を行ってきました。

海外展開については、米サンディエゴに現地法人となる、Media Do International, Inc.を設立いたしました。北米を中心とした日本コンテンツの輸出をメインとし、新たな流通経路の確立に努めます。また、子供の創作する作品を発表するプラットフォームSNS「Creatubbles(クリエイタブルズ)」を提供するCreatubbles Pte. Ltd.との資本業務提携も行いました。電子書籍を子供向けに広めるメディアとして、教育関連事業への足がかりになるものと考えています。

これまで当社はコミックを中心に取り扱ってきましたが、今後の事業展開においてはテキスト書籍の流通拡大が鍵となると考え、書籍の要約サービスを展開している「株式会社フライヤー」を子会社化いたしました。この要約サービスは、1冊の本を約5,000文字程度に要約して提供することで、選書する時間がなかなか取れずに悩んでいるユーザー向けのサービスとなっており、今まで電子書籍を利用しなかった新たなユーザの掘り起しにも繋がるだけではなく、当社が法人向けに展開している社内電子書籍サービス「bizbook」との連携も見込んでいます。

株式会社マンガ新聞が提供するコミック情報メディア「マンガ新聞」は、著名なコメンテーター陣を擁する人気メディアであり、電子コミックのプロモーションにおいて大いに有効と捉え、今回の子会社化となりました。またアルトラエンタテイメント株式会社は、従来モノクロで描かれているコミックに付加価値をつけるためのカラーリングやリッチ化において高い技術を有しており、海外での日本コミック販売における課題である「コミックのカラー化」に対応するべく、同社の株式譲受に至りました。

そして年度最後には、電子書籍取次の業界最大手である「株式会社出版デジタル機構」の子会社化を発表いたしました。この経営統合の最大のメリットは、システム統合による国内取次業務の一本化/スリム化を行うことで、業界全体の大幅な効率化による市場成長の促進と利益の最大化にあります。電子書籍業界全体の流通コストの軽減によって、出版社はもちろん、書店やユーザーにも非常にメリットの高い市場改革に繋がると考えています。これにより、「電子書籍の健全な創造サイクル」を大きくすることで、業界における当社のプレゼンスを高めていきたいと考えています。

そのために重要なのは、システムやソリューションの開発です。これまで当社は、提供するサービスのシステム開発を内製で行ってきましたが、さらなる拡大が予想される今後において、技術人員や開発リソース確保は大きな課題となっています。しかし東京でのエンジニア採用環境は厳しいため、当社は優秀な人材を地方に求め補っていくことを解決策の一つとし、特にIT関連企業に多くの誘致実績のある徳島県にて本年6月、システム関連会社「株式会社メディアドゥテック徳島」を設立する運びとなりました。この会社は、徳島で長年システム開発の実績を積み上げてきたテック情報株式会社グループとの合弁会社であり、お互いの特長を組み合わせ、今後の展開の下支えとなるソリューションの開発や運営保守を主たる業務として行っていきます。このように2017年2月期は、今後の展開や業界の牽引拡大を見据えた体制作り、グループ構築のための投資を積極的に行った年となりました。

大規模M&Aを活かすには、その後の効果的なPMIが重要です。私たちは今後、「メディアドゥグループ」としての意思統一を図り、経営統合によるシナジーの最大化に大いに取り組むことで、よりダイナミックな展開ができるよう進めていきたいと考えておりますので、株主の皆様には引き続きご支援賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社メディアドゥ 代表取締役社長 藤田恭嗣
(第18期通期株主通信より)