To shareholders

株主・投資家の皆様へ

代表取締役社長 藤田恭嗣

株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。私の地元徳島では、今年も名産のゆずが黄金色に輝く季節を迎えています。

今期第19期は、業界最大規模の電子書籍取次事業者である株式会社出版デジタル機構の子会社化発表の翌日という節目の日のスタートとなりました。3月末には同社株式の70%を取得、6月には株式交換によって100%子会社化し、電子書籍取次における流通規模拡大のためのグループ再編を完了させることができました。また、同3月には株式会社メディアドゥテック徳島も設立いたしました。株式会社メディアドゥ、株式会社出版デジタル機構の制作業務を移管していくことで、徳島での雇用促進等に貢献すると共に、業務の効率化を図っていきたいと考えています。

一方で、国産ブラウザ開発のLunascape株式会社の買収、IRIグループの株式会社インターネット総合研究所(以下、インターネット総研)および株式会社エーアイスクエア(以下、エーアイスクエア)との資本業務提携、株式会社毎日新聞社と株式会社ブロードバンドタワー(以下、ブロードバンドタワー)とのベンチャーインキュベーション事業の合弁会社設立、株式会社MediBang(以下、メディバン)との資本業務提携など、外部事業者との連携等による電子書籍事業の高度化や、周辺事業への展開を積極的に進めて参りました。

さらに、これらM&A等の資本戦略の総仕上げとして、9月1日より持株会社体制に移行いたしました。これに伴い、上場企業であった株式会社メディアドゥの社名を、「株式会社メディアドゥホールディングス」に変更し、電子書籍等の全事業を新設の株式会社メディアドゥ(同社名)に移管しました。今後、株式会社メディアドゥホールディングスは、株式会社メディアドゥ、株式会社出版デジタル機構を中核とした子会社8社を抱える純粋持株会社として、当社グループの事業全体を統括管理する役割を果たして参ります。

当社グループの事業環境として、2016年度の電子書籍市場は1,976億円で昨年度の1,584億円から392億円(24.7%)増加し、電子雑誌を含めた電子出版市場は、2,278億円となりました。今年度は電子書籍が2,280億円、電子雑誌が350億円で合わせて2,630億円、東京オリンピックが開催される2020年には、電子書籍が3,000億円、電子雑誌が430億円、合計3,430億円になると予想されており、国内電子書籍市場は、依然拡大基調にあります(出所:インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2017」)。

しかしながら、ここ数年は高い市場成長率を継続しているため、今後の国内市場の成長鈍化を視野に入れ、海外市場に向けた本格的な事業展開が必要な時期に来ていると考えております。

当社グループは、今後も中長期的な事業拡大、企業成長に向け、世界市場を視野に入れた様々な事業展開を推進していきます。これまでのように、M&Aや資本業務提携などの資本戦略を活用したスピーディーな業容拡大を図ると共に、持株会社化がもたらす権限委譲・意思決定スピードの向上によって、創造的事業へのチャレンジも進めて参ります。


IRIグループ2社との資本業務提携
IRIグループは、1996年に創業し、国内のインターネットの普及促進を担ってきたインターネット総研を中心に、東証ジャスダック上場でデータセンター事業等を展開するブロードバンドタワーなどを抱え、日本のICT産業を常にリードし続けて来た会社です。

インターネット総研との提携においては、AI(人工知能)技術を用いた自動翻訳によって、翻訳スピードを飛躍的に向上させることで、短期間での翻訳コンテンツの大量生産を目指します。AIスクエアとは、AI技術を活用した文書の「自動要約サービス」事業の共同展開を進めていきます。

当社グループでは、このようなIRIグループとの資本業務提携によって、同社グループの持つ最先端のAIテクノロジーを電子書籍事業領域に広く展開し、電子書籍流通にパラダイムシフトを起こしていきたいと考えております。

株式会社MediBangとの資本業務提携
メディバンは2014年に創業。同社の提供している無料マンガ・イラスト制作アプリ「メディバンペイント」は、全世界累計でペイントアプリとしては異例の1,200万ダウンロードを突破(2017年6月時点)しており、マンガ・イラスト制作アプリとして世界最高峰の性能・実績で、世界中のマンガ・イラストクリエイターの創作活動を全面的に支援しています。

当社グループでは、電子書籍のグローバル流通を推進するため、「マンガ」の海外進出による、海外コミック市場の確立を目指しています。電子書籍のマンガクリエイターの制作支援に強いメディバンと提携することで、海外展開上の主な課題となる、クリエイターおよび著作物の確保、効率的な多言語翻訳と写植、ローカルコンテンツのマーケティングからグローバル流通、更には二次利用まで、一気通貫のマンガのグローバル事業展開基盤を構築・提供したいと考えています。


今後の取り組みについて
当社グループは、上場した2013年から順調に事業を拡大し、業績においても増収増益を続けることができました。そして今回、グループの組織形態を持株会社体制に移行し、「メディアドゥグループ」として新たな出発を切りました。今後、持株会社体制の目的として掲げた「グループ戦略機能の強化」「グループ各社における創造的事業展開」「優秀な人材の確保・育成」を推進していくと共に、経営管理面においては、子会社、関連会社の増加に対応するためのグループ全体のガバナンスを強化していきます。今後も持株会社体制のメリットを最大限に活かして、企業価値の継続的な増大に向けて邁進して参ります。株主の皆様には引き続きご支援賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社メディアドゥホールディングス 代表取締役社長兼グループCEO 藤田 恭嗣