To shareholders

株主・投資家の皆様へ

代表取締役 社長執行役員CEO 藤田恭嗣

第20期は、市場のさらなる拡大推進や、株式会社メディアドゥと株式会社出版デジタル機構の統合に向け、管理体制を強化します。


株主の皆様には平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

当社グループにとって第19期は、前期末に発表いたしました株式会社出版デジタル機構を3月に子会社化し、6月に完全子会社化を完了したことで、メディアドゥグループは国内最大手の電子書籍取次事業者となり、大きな飛躍の年となりました。

また、当期は株式会社メディアドゥテック徳島の設立、国産ブラウザを開発提供するLunascape株式会社の子会社化、IRIグループの株式会社インターネット総合研究所 ※1 および株式会社エーアイスクエアとの資本業務提携、株式会社毎日新聞社と株式会社ブロードバンドタワーとのベンチャーインキュベーション事業合弁会社「毎日みらい創造ラボ」の設立、ペイントツールを提供する株式会社MediBangとの資本業務提携を行いました。

これらのM&Aや資本業務提携は、当社グループによる電子書籍流通プラットフォームをコアとした出版業界の技術支援を一層強化するとともに、AIやブロックチェーンなどの先端テクノロジー領域をカバーし、今後の出版業界をリードする役割を担うための布石となるものです。


グループ管理体制強化

増加したグループ会社のPMI ※2 を実行するとともに、成長促進に向けた最適な資源配分を実行するべく、当社グループは2017年9月1日より持株会社制に移行しました。これに伴い、旧「株式会社メディアドゥ」を「株式会社メディアドゥホールディングス」へと社名変更して持株会社とし、電子書籍等の全事業を新設した子会社「株式会社メディアドゥ」に移管しています。株式会社メディアドゥホールディングスは前期末時点で子会社8社と関連会社4社を抱え、グループ全体を統括管理する役割を担っています。

また、2018年3月には千代田区竹橋のパレスサイドビルの本社オフィスを増床し、株式会社出版デジタル機構も同オフィスに入居することでシナジー創出に向けた取り組みをスタートさせております。今後はシステム統合により国内取次業務を一本化することで業界全体の大幅な効率化による市場成長の促進と利益の最大化を目指すとともに、株式会社メディアドゥテック徳島に株式会社メディアドゥ、株式会社出版デジタル機構の制作業務を整理・移管し、高付加価値業務は東京で、業務の場所を選ばないものは徳島で行うことで、私の故郷である徳島県における雇用創出に貢献してまいります。

さらに、当社にとって第20期となる今期は、これまでチャレンジを続けてきたグローバル展開や、新事業領域への進出などを見据えたスピード経営のために、業務執行体制を明確にすべく、3月1日付で新体制への移行を発表いたしました。新たに私、藤田恭嗣を代表取締役 社長執行役員CEO、株式会社出版デジタル機構の代表取締役社長を務めている新名新を取締役 副社長執行役員COOに据え、藤田恭嗣は株式会社メディアドゥと株式会社出版デジタル機構それぞれの代表取締役会長、新名新はそれぞれの代表取締役社長を兼任します。その他にも技術や経営企画など各業務領域におけるグループ横断的な統括責任者を明確にすることで、これまで以上の事業拡大・企業成長を実現すべく、経営幹部が一丸となって業務に取り組んでまいります。


海賊版サイトの影響

さて、当期は当社グループにとって飛躍の年であったとともに、出版業界が海賊版サイト ※3 による深刻な被害を受けた年でもありました。猛威を振るった海賊版サイトは過去に存在したものに比べてシステムやマネタイズ手法など様々な点で巧妙になっており、SNSなどを通じて利用者が急拡大しております。紙の出版市場では対前年比で市場が6.9%縮小、なかでもこれまで堅調だったコミックス単行本は約13%減と大きく落ち込み、その影響力は相当規模に及びました(出所:公益社団法人全国出版協会)。当社としても10代男性を中心とした若年層が主に利用する電子書籍ストアにおいて売上成長鈍化の傾向がみられました。

海賊版サイトは運営管理者の特定が困難であり、侵害コンテンツの削除要請ができないことから、閉鎖や無効化に向けた有効な手立てが不足している状況です。著作物を公正な利用環境のもとでできる限り広く頒布し著作者に収益を還元するという理念を掲げる当社グループは、“著作物の健全なる創造サイクルの実現”を目指し、日本における文化の発展および豊かな社会づくりに貢献したいと考えております。さらに、著作権者等の権利を著しく損なう海賊版サイトの根絶に向けて関係者との協議を重ね、対策を検討するとともに、今後の法制度整備ならびに著作権教育の推進においても著作権者および出版社と協調してまいります。


今後の取り組みについて

当社グループは、上場した2013年度から順調に事業を拡大し、2017年度は株式会社出版デジタル機構の子会社化によって、売上高372億円(前期比240%)、経常利益8.3億円(前期比127%)に達しました。これもひとえに、株主の皆様のご支援の賜物と心より感謝申し上げます。

一方で私としては、当社グループが国内出版業界を活性化し、電子書籍市場を一層拡大させる推進役を担うとともに、日本発のコンテンツの海外輸出を行っていくための新たな事業の種まきが必要な時期に差し掛かっていると考えています。そこで、現状の延長ではなく、企業変革を断行し、メディアドゥグループ全体で取扱流通総額1,000億円を目指すための中期経営計画を策定しています。今後はこの目標の実現に向けた戦略的な取り組みを実施してまいりますので、株主の皆様には引き続きご支援賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社メディアドゥホールディングス
代表取締役 社長執行役員CEO
代表取締役 社長執行役員CEO 藤田恭嗣


  • ※1:現在はテルアビブ証券取引所に上場予定のイスラエル法人、Internet Research Institute, Inc.の株式を一部保有
  • ※2:Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)。経営統合に伴って、計画したシナジー効果を獲得するためのプロセス統合とマネジメント
  • ※3:著作権を侵害し、無料でマンガなどの作品を公開している違法サイト